地域再生の罠
2010-07-21 22:38 JST @sadayuki Tweet
地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)【久繁 哲之介】
面白い本だと思うが、読後にまず感じるのは「戸惑い」だ。
その理由のひとつが、コンパクトシティ への批判だ。もう 20 年以上前だが、私は工学部建設工学科を卒業した。都市工学研究室に所属していた。試験ではなくレポートだと思ったのだが、身近な地域を対象に、都市計画を考えるという課題があった。そこで書いたのが「水田に浮かぶ都市」。
私の実家の北側には利根川が流れている。堤防までキロ単位の距離があるはずなのだが、堤防が見える。家がポツポツと立ってはいるが、堤防までずっと水田が広がっている。そんな町にコンパクトシティ構想を適用するレポートだ。鉄道駅を中心に居住地を集め、その周りに水田を配置。水田の面積を広げて農家の大規模化を図るというものだった。と思う。
もう一つ戸惑ったのがコミュニケーションの重視。私は人付き合いが苦手。近所付き合いは妻に任せている。職場でのコミュニケーションを避けるわけにはいかないが、かなりの努力が必要だ。店頭でのコミュニケーションが重要と言うが、私も妻もお店の人と話をするのは苦手だ。
とまあ、色々と反感までいかないまでも、諸手を挙げて賛成とはいかない。そんな感じで読み終えたのだが、まあ、書かれていることは明らかに正しいと思う。結論が正しいかは保留だが。
特に正しいと思うのが次の二つ。
- 私益を優先する商店主が商店街を滅ぼす
- 車優先の街は衰退する
私の住む街の商店街衰退している。私益優先かどうかは分からないが、「入りにくく出にくい」のは確かだ。あれは何とかする必要がある。また、駅前の道は狭くて曲がりくねっている。そんな道でも駅前なので車は通る。まあ、高齢者や子供が気軽に買い物できる商店街では無いのは確かだ。
フィットネスクラブが中心であるべきか否かは置くとして、地域全体で、商店街全体での公益というものを目指すのは正しいと思う。また、潰すべきは潰すのみ正しい。これから人口増が期待できない中で、これまでのものを全て維持するのは不可能だ。一律の補助は間違っている。
とまあ、書かれているのは事実だと思う。ただし、それが真実は保留。真実はいつもひとつ!!